SONY MDR-CD900ST
音楽制作を始めた頃から使用しています。密閉式、軽量コンパクト、装着感、耐久性が良いので長期の使用に耐えられます。1989年発売のロングセラー。扱いが悪いのでボロボロになってしまいましたが、現在でも部分的に交換可能な修理部品が入手できることが素晴らしいです。
多くの方が使う定番ヘッドホンとのことですが、音楽を聴いてテンションが上がるようなリスニング用のヘッドホンではなくて、業務用モニターヘッドホンの位置付けです。
解像度感が高く、高音域が鮮明。レコーディング後のノイズチェックやアタックの確認などに向いています。低音域が少なめなのも特徴です。バランスが良い高音質のモニタースピーカーやヘッドホンだけで制作していると、ミックスが上達したような気分になってしまうのですが、低音域が少ないモニター環境だと中音域のミックスで飛び出している箇所などを発見することができます。
サックスのレコーディング
演奏録音時のモニターヘッドホンとしても使用されます。レコーディングスタジオに行くと900STが準備されていることが多いですので、好きでも嫌いでもこのヘッドホンの音質の特徴を覚えて録音に慣れておく必要があります。
ヘッドホンのモニター音でサックスの演奏をコントロールするのはとても難しいです。ヘッドホンからモニターされるサックスの演奏音は生音よりも高音域が強いので耳がおかしくなってしまいます。モニター音量を下げると繊細な表現が失われ、音量を上げるとアタック音で耳がやられてしまいます。
右耳だけヘッドホンを外してサックスの生音を聞きながら録音する方法は、サックスのコントロールは簡単になりますが、左耳だけで他の楽器音をモニターすることに慣れるのが大変です。サックスの演奏が微妙に遅れて録音失敗することもあります。
最近は、iPhone付属のイアホンをモニターにサックス録音することを実験しています。イアホンをしていてもサックスの生音が聞こえるので演奏のコントロールしやすいかもしれません。
MDR-9000STを試聴したい方はレッスン時にお知らせ下さい。