F(ファ) or E(ミ) ?
Charlie Parker「Billie’s Bounce」楽譜の矢印箇所の音程は、Alto Sax in EbのF(ファ)で演奏することが多いです。一般的なスタンダード・ブックやパーカーのオムニブックでは、Fで表記されています。
パーカーの演奏を採譜すると、E(ミ)で演奏しているテイクが多いですが、Miles Davis(tp)は、Fで演奏しています。
OZAWA STUDIOの出版楽譜では、アドリブのトランスクリプションが趣旨ですので原曲に忠実なE音で表記しました。EとF音のどちらの音が正解ということではありませんので、演奏者の好みで判断して下さい。
ミとファを同時に吹いて良いのか?
理論派のレッスン受講生さんからは、「楽譜が間違っている!」「ジャム・セッションでミとファを同時に吹いたら音が汚くなる」などのご指摘があるのですが、「ジャズでは半音でぶつかるサウンドがCoolで意図的に使用される」「裏拍で経過的な8分音符なので大した影響はない」など、何とでも説明できてしまいます。
4拍目のハモリも、マイルスのB音(シ)に対して、パーカーは半音上のC音(ド)でぶつけています。
The Complete Studio Recording On Savoy Years Vol.1
採譜元のアルバムは、Charlie Parker / The Complete Studio Recording On Savoy Years Vol.1
「Billie’s Bounce」5テイク入りです。念入りにリハして録音されたというより、ラフに即興的に録音された演奏に感じます。(そもそもブルースですしね)
その中のTake 5がOriginal Takeとして有名な演奏です。サックスのレッスンレパートリーとしても定番で、16分音符が2小節続くフレーズが指が速く動かなくて苦戦する方が多いです。
Take 1〜4の方が楽譜の難易度が低いのでジャズ入門者には練習しやすいと思います。Take 1〜4の楽譜は、パーカーのオムニブックには掲載されていませんので、OZAWA STUDIOの楽譜をご購入下さい!よろしくお願いします。